8月の特別講演会

フォーリア

2013年09月13日 18:05

 更新が遅くなりましたが、先月の27日(火)に8月の特別講演会が開催されました。
今回は浜松オンコロジーセンターの宮本康敬先生に、
「保険薬局におけるがん薬物療法への関与 -初期乳がん薬物療法-」という演題でご講演いただきました。
宮本先生はがん専門薬剤師として活躍されている方でもあります。


 
 ご講演の中で特に印象に残った内容のひとつが、「患者さんからいただいた質問一覧」です。
 臨床現場で患者さんに寄り添う、頼られる薬剤師としては、薬効、副作用について他の薬剤、治療レジメンとの比較、副作用の具体的頻度、対応を丁寧に答えてあげることが重要だと感じるとともに、まさに抗癌剤治療中の患者さんの横にいるという緊張感、責任感も伝わってきました。

 また、患者さんへの副作用の説明について、例えば、脱毛の予後についてウィック、帽子、毛髪ケアのポイントまでを含めて患者さんの疑問に答えること、そして患者さんの不安に寄り添っていくこと、これらが薬物療法への貢献の中でプラスαとなる、よい事例だと感じました。

 さらに治療レジメンについては、大規模スタディの結果をしっかり解釈し、患者さんへの治療薬の選択、適応が最善のものであるのか確認しながら薬物療法を管理する、必要があれば医師に提言する、というスタンスは調剤薬局において処方の妥当性を根拠に基づき検討する、という姿勢の重要性につながると感じます。
 
 また、「調剤薬局で得られない情報は、自分たちで積極的に取りに行く必要がある」とのご指摘もいただきました。
 がん治療の領域は他の疾患に比べ、総合病院等との連携が比較的進んでいる領域であり、地域連携パス等の試みも行われています。そうした中でも、患者さんの治療背景等の情報が薬局での服薬指導時、不足している場合にも遭遇します。積極的に病院側に情報提供を依頼すべきだと新ためて認識いたしました。


 
 調剤薬局で処方をうけた際には患者さんの治療、疾病の背景を把握するとともに、処方薬については、どの服用量をどの程度の期間服用することが必要か、エビデンスを意識しながら患者さんの支えになれるよう、取り組みたいと感じました。

 第一線で活躍されている先生の考え方、治療、患者さんへの向かい方を学べた、非常に有意義な講演会でした。宮本先生、この度は本当にありがとうございました。

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